書面添付の有無で相続税の税務調査割合がどの程度変わるのか計算してみた

投稿日
2020年03月09日
更新日
2020年03月10日
column

書面添付と税務調査

今回はコラム記事として、実際問題「書面添付制度」を利用すると、どの程度「相続税の税務調査」に入られる率が下がるのか?について、過去のデータを元に計算していきたいと思います。

「書面添付制度のありなしで本当に税務調査が減るの?思っている納税者の方」や「書面添付制度を標準装備するか否かで悩んでいるという税理士の方」の参考になれば幸いです。

こんにちは。相続税を専門に取り扱っている「税理士法人ファンウォール」、税理士の山中です。

なお、データは平成25年発生分の相続を中心としたデータに基づいて算出しています。

というのも、この記事執筆時点で平成30年や平成31年(令和1年)などの新しい分に関して、「実地調査省略割合」などのデータが見つからなかったからです(公表されているデータがあれば教えて下さい!)

というわけで少しデータは古いですが、見ていきましょう。

「税理士関与+書面点制度利用」で実地調査の割合は約7%になる?

ではさっそく、見ていきましょう。

今回の計算は、日本税理士会連合会の「税理士界1333号(2015年10月15日発行)」に掲載されているデータを元に行いました。

近畿税理士会1333号

本当は

「A)税理士関与あり+書面添付あり」
「B)税理士関与あり+書面添付なし」
「C)税理士関与なし」

の3つに分けて出したかったのですが、(B)と(C)を分けるデータが無かったので(B)と(C)はひとまとめになりました。

結果としては以下のようになります。(計算の前提は表の下に細かく書いております。)

 税理士関与あり+書面添付あり税理士の関与なし又は「税理士関与あり+書面添付なし」全体
①申告件数7,434(*2)62,489(*2)69,923(*1)
②意見聴取件数832(*3)0(*3)832
③実地調査件数516(*4)11,41911,935
④実地調査率(③÷①)6.94%18.3%17.1%
*1 申告件数は相続税額が無いものも含めた申告件数。ただし、「平成25年分の相続税の申告の状況について|国税庁」では、税額がある場合の申告件数(54,421人-正確に言うと申告提出にかかる被相続人数)しか記載されていないため、平成30年分 相続税の申告事績の概要|国税庁より平成30年分の相続税申告事績の比率(相続税額なしの申告件数33,140÷相続税額ありの申告件数116,341)を54,421に乗ずることで全体の申告件数を算出。
*2 税理士界1333号の書面添付件数は1,000未満を切り捨てしているため、63,000(税理士関与件数)×11.8%(書面添付割合)=7,434件で算出。62,489件は差引で算出。
*3 意見聴取割合11.2%×7,434件=832件。「税理士が関与していない場合+税理士が関与しても書面添付なし」の場合は意見聴取は無いため0。
*4 実地調査省略割合37.9%であることから、意見聴取の後に実地調査が行われる確率は62.1%。832件×62.1%=516件。

「税理士関与あり+書面添付あり」の場合は調査率約7%なので、書面添付をすることで添付しない場合と比べると50%以上も調査率が下がっていることが分かります。

そもそもデータ年度が平成25年度のものですから、基礎控除が縮小された平成27年より前のデータではあるものの、令和になった今でも「書面添付」に一定の効果が有るのは間違いないでしょう。

納税者としては、書面添付制度を利用してくれる税理士を選んだ方が安心できるかもしれませんね。

ただ、実際問題、税理士側からすると自信を持って書面添付出来るような案件にしか書面添付をしたくないのは事実です。グレーな部分が残っているのに書面添付をしてしまうと、税理士の責任を問われる可能性が高まりますからね。

従って、そもそも税務調査が入らないようなクリーンな案件にばかり書面添付が行われているとも考えられます。

また、添付書面のレベル感によっても変わってくると考えるのが自然でしょう。

調査官の疑問を全てクリアに出来るような素晴らしい添付書面(&添付書類)があって、尚且つ税務的にも真っ当な処理がされていれば調査に入る確率は少なくなるでしょうし、そもそも意見聴取すら行われないかもしれません。

逆に添付書面のレベルが低いのであれば、形式的に意見聴取は行われるものの実地調査ありきの意見聴取になる可能性が高いでしょう。

数字だけで判断しないようにしてくださいね。

あと、遺産総額が大きくなればなるほど相続税率も上がって少しのミスが大きな税額の変化に繋がる可能性が高まるので、素晴らしい添付書面があっても税務調査ありき!という案件は当然あると思います。

書面添付制度は万能ではありません。

書面添付制度を利用するメリットやデメリット・注意点を下記記事でまとめていますので、そちらも合わせてご覧くださいね。

「書面添付制度を使うと相続税の税務調査リスクが激減!?メリット・デメリットを把握しよう

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