「相続関係説明図」と「法定相続情報一覧図」は何が違うの?

投稿日
2020年06月18日
更新日
2020年06月18日
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相続関係説明図と法定相続情報一覧図の違い・使い分け

「法定相続情報一覧図が便利って聞いたけど、相続関係説明図と何が違うの?」

「どっちを使うかで相続手続きに影響があるの?」

こんにちは。相続税専門の税理士法人、税理士法人ファンウォールの山中です。

不動産の相続手続き等で、相続関係を示す書類として使うことのできるものに、以下の2種類があります。

  • ①相続関係説明図
  • ②法定相続情報一覧図

いずれの書類も記載されている内容は基本的に同じなのですが、両者は一体何が違うのでしょうか?

この記事では、相続手続きで必要となる相続関係説明図と法定相続情報一覧図の違いについて紹介しますね。

ポイントは以下の通り。

  • どちらも相続人が誰かを示す書類!
  • 相続関係説明図は相続登記時に原本還付を受けるために必要!
  • 法定相続情報一覧図は法務局のお墨付きがある!
  • 法定相続情報一覧図は便利だけど必ずしも作る必要はない!

では、内容を一緒に見ていきましょう。

相続関係説明図とは?

家族全員の写真

相続関係説明図とは、被相続人(=亡くなった人)の相続人を全て洗い出し、図式化したものを言います。家系図とは異なりますが、家系図に近しいものと言えば良いでしょうか。

相続関係説明図は、主に不動産の相続登記申請時に必要となります。

相続関係説明図(サンプル)
(画像参照元:登記申請書記載例|法務局

記載される内容は主に以下の通り。

◆被相続人の情報◆

  • 氏名
  • 生年月日
  • 死亡年月日
  • 最後の住所
  • 最後の本籍地
◆相続人の情報◆

  • 氏名
  • 生年月日
  • 被相続人との続柄
  • 住所

相続関係説明図の書き方!はじめての人でも作れるテンプレート付【記事未了】

なお、「相続登記のために相続関係説明図を必ず作らないといけない」と考えている方もいるかもしれないですが作成自体は任意です。

では、何のために作るかというと、相続登記の際に戸籍等の原本の還付を受けるためです。

相続関係説明図と戸籍謄本等をセットで法務局に提出することで、後に戸籍等の原本を返してもらう事ができます(平成17年2月25日付け法務省民二第457号法務省民事局長通達)

相続手続きは相続登記だけではなく、預金の名義変更や相続税の申告など多岐にわたります。その多くで戸籍謄本等の提出を求められるので、相続登記時に原本を返してもらったほうが他に流用でき、金銭的な負担が少なくて済みますよね。

そこで、相続関係説明図を作って登記申請時に提出をするのです。

相続手続きに欠かせない戸籍謄本!取り寄せ方法・必要部数などを解説。

相続関係説明図がなくても、戸籍謄本等を全てコピーして「原本と相違ない」旨の記載をすれば原本還付は受けられます不動産登記規則第55条。ただし、全てコピーをするのはかなり手間でしょうね・・・。

法定相続情報一覧図とは?

法定相続情報一覧図は、平成29年5月29日にスタートした法定相続情報証明制度によって作成する書面です。

一覧図を作成した上で、もととなる戸籍謄本等とセットで法務局に提出すると、以下のような登記官の署名入りの証明書として無料で何枚でも発行してくれます。(何枚でも無料発行可能ですが、基本的に必要部数だけお願いすることになりますよ。)

記載されている内容は相続関係説明図と大きな違いはなく、被相続人と相続人の関係を図式化したもので、こちらも各種相続手続きで使用することが出来ますよ。

厳密には、法定相続情報一覧図の原本は法務局に保管されるので、皆さんが実際に使うのは法定相続情報一覧図の「写し」です。

法定相続情報一覧図と相続関係説明図の違いは?

法定相続情報一覧図と相続関係説明図は、どちらも相続関係を示す家系図のようなもので、各種相続手続きで使用できることが分かりました。

では、両者は一体なにが違うのでしょうか?

以下でポイントごとに見ていきましょう。

法務局のお墨付き(認証)があるかどうかが違う!

法務局のイメージ

法定相続情報一覧図は、自分で作成したものを法務局に提出し、法務局が「これで相続関係は間違いありません」とお墨付きを与えてくれるものです。

このお墨付きによって、各種相続手続きをする際には法定相続情報一覧図の写しを提出すればよく、もととなる戸籍謄本等一式の提出は不要となります。

:金融機関によっては、法定相続情報一覧図の写しを提出しても戸籍謄本一式の提出を求めてくるケースがあります。

一方で、相続関係説明図は単に自分で「相続関係はこうですよ」と書き記したもので、誰かがその正しさについて証明してくれる訳ではありません。

従って、各種相続手続きの際には、そのもととなる戸籍謄本等の一式を併せて提出する必要があります。

戸籍謄本の束は相続関係が複雑になると量も増えます。法定相続情報一覧図の写しは基本的にA4用紙1枚なので、相続手続き時に持ち歩くのがとても楽ですね。

戸籍に記載されていない情報を載せられるかどうかが違う!

戸籍謄本

法定相続情報一覧図は、戸籍から読み取れる情報を公的な書類として証明するものなので、戸籍に記載されている情報のみ載せることになります。

従って、例えば相続人の中に相続放棄をした人や相続欠格の人がいる場合、これらの情報は戸籍には記載されないので、法定相続情報一覧図にその事実を載せることはできません。

また、推定相続人の廃除が行われた場合、戸籍に廃除された旨の記載がされるので、法定相続情報一覧図にその相続人の情報を載せることが出来ないです(相続人でないことが戸籍の情報から読み取れるから)。

相続放棄や相続欠格は、それらが無かったものとして法定相続情報一覧図を作ることになるのに、相続欠格の場合は相続人の情報自体が出てこない・・・

というのはちょっと不思議な感じですが、あくまでも戸籍に情報が載っているかで判断することになるためこのように処理されます。

法定相続情報一覧図に載っている相続人と、実際の相続人とが異なるケースが出てくるということですね。

一方で、相続関係説明図は記載内容に特段の決まり事はなく、相続関係が把握できればOKです。従って、戸籍に載っていない情報を載せても構わないので、相続放棄や欠格などといった情報を載せることも可能ですよ。

なお、他にも数次相続の場合、相続関係説明図であればすべての相続関係を1枚でまとめて記載することができますが、法定相続情報一覧図は1相続につき1枚の法定相続情報一覧図を作成することになるので、2つの一覧図を作ることが必要、という違いもあります。

法定相続情報一覧図を必ず作った方が良い訳ではない

悩む女性

相続手続きの際、相続関係説明図ではなく法定相続情報一覧図を作ったほうが良いのでしょうか?

先のセクションで紹介したように、相続関係説明図と法定相続情報一覧図の最も大きな違いは簡単にいうと「相続手続きの際に戸籍謄本の束の提出を省略できるかどうか」です。

確かに、戸籍謄本の束を相続手続きの際に毎回持ち歩くことを考えると、法定相続情報一覧図を作成して1枚提出するだけでOK!という状況にするのはとても便利ですよね。

しかし、だからといって必ず法定相続情報一覧図を作ったほうが良いのかというと、そうとは限りません。

なぜなら、相続関係がシンプルで相続財産も限られている場合は、逆に法定相続情報一覧図を作ることで手間がかかってしまうからです。

法定相続情報一覧図の発行には通常1~2週間程度かかります。

例えば、父が亡くなり(母は既に他界)、相続人は長男のみで相続財産は預金が500万円あるのみといったケースを考えてみましょう。

このようなケースだと、主な相続手続きは預金の名義変更程度ですし、必要となる戸籍謄本等もとてもシンプルなので、法定相続情報一覧図を作るために法務局までいったり、認証を受けるまで1~2週間待つことのほうが、余計に手間ですよね・・・。

このような場合は、法定相続情報一覧図を作らないほうがスムーズに手続きが進むのです。

従って、実際に法定相続情報一覧図を作った方がいいのかどうかは、相続人が誰か?や必要な相続手続きがどれくらいあるか?によって適宜判断すると良いでしょう。

最後に

ポイントを示すノート

相続手続き時に使う相続関係説明図と法定相続情報一覧図の違いについて見てきました。

相続関係説明図も法定相続情報一覧図も、相続手続きで相続人が誰かを証明するために使うことが出来るのですが、法定相続情報一覧図は法務局のお墨付きがあります。

その結果、法定相続情報一覧図の写しがあれば、相続手続き時に戸籍謄本の束をわざわざ持ち歩く必要がありません。一方で、相続関係説明図はそれだけだと証明力がないので、戸籍謄本の束とセットで相続手続きをすることになります。

相続手続きの際にどちらを使ったほうがいいのかはケースバイケースなので、どちらを使うかは適宜判断するようにしましょうね。

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